研究者の男性育休の体験談 育休前にやったこと、悩んだこと、決めたこと

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男性の育児休業は増えて来ているとはいえ、まだまだ少数派です。男性育休を実際に取ってみないと分からないこと多いですよね。そこで、私が次男誕生時とった約3ヶ月の育休を取るまでのこと、取っているときのこと取った後のことを自分の体験をふり返って公開しますね。

この記事では育休を取るまでにやったこと、悩んだこと、決めたことをできるだけ詳しく記載しました。男性で育休を取ろうと思っている方が知りたいことをすべて盛り込んだつもりです。

育休取得時の家族の状況

育休取得時の家族構成は下記の通りです。

  • パパ(アリス)
    • 上場企業のサラリーマン、職種は研究者
    • 東京都在住
    • 当時39歳
  • ママ
    • 地方公務員
    • 当時37歳
    • 出産予定日の3ヶ月ほど前から産休取得
  • 長男
    • 当時3歳
    • 保育園の年少組に通う
  • 次男
    • 2020年9月末誕生予定

なぜ育休を取ろうと思ったか

一言でいえば、自分と家族が最も幸せになると感じる選択肢だったからです。

長男が生まれた際は、職場の有給休暇を1週間+年末年始の休みで合計2週間ほどの休みを取りましたが、全然足りなかったと感じました。長男のときを通じて幼児を見ながらの家事育児の大変さを感じていたし、出産後のママのケアの重要さを感じていました。

一人目と違い、長男を見つつ下の子の世話をするのはかなりしんどいだろうと考え、育休取らないと家事育児が回らないと思っていました。なので、育休を取る以外の選択肢はありえないと思ってました。

他の選択肢として、1日数時間働いて空き時間に育児というのも考えましたが、仕事も育児も中途半端になりそうで、時間的余裕もなさそうなのでやめました。

妻に育休を取るつもりだと話したときは、当然かもですが、かなり喜んでくれました。妻も私に育休を取ってほしいと思っていたようです。

私の理由を色々説明してきました。ですが、私は男性が育休取るのに特に理由いらないなと最近思ってます。「妻が妊娠しました、なので育休取りますね」だけで済む世の中になってほしいです。わざわざ理由が必要なのは、まだまだ男性育休が当たり前になってないからだと思います。

育休をとるのを決めてからまず何をしたか

まずは、会社での育休の制度を調べました。育休を取るのは決めたが、制度のことをあまり知らなかったのと、本当に取れるんだっけと思ったので。また、ネットで上司に何ヶ月前に連絡したらよいか等を色々調べました。男性で育休のことをブログで公開してたのも見てたりもしました。

ある程度、調べたら上司への連絡をすることにしました。

職場上司への連絡はどれくらい前にやったか

これも迷いました。早い方が職場での人員調整とかやりやすいですが、一方で妊娠初期だと流産のリスクが高めなので、伝えた後に流産したとかの連絡はできればしたくないですし。

結論を先にいうと、約6ヶ月前に上司に話しました。妊娠14週ぐらいの頃(妊娠安定期の少し前)です。2020年3月の終わり頃で、ちょうど面談する機会があったので、そのときに伝えました。

私の仕事は年度ごとのプロジェクト型でした。前年度の3月下旬にプロジェクトの体制を決めます。ちょうどそのときに上司に伝えられたのはラッキーでした。プロジェクトに私と引き継ぎ者を入れてもらったので、引き継ぎをしやすい職場体制にできたからです。

妊娠を職場などに伝えるのは流産のリスクが低くなる妊娠安定期(16週〜27週)になってからが一般的とは思います。ですが、私は、仕事の引き継ぎをスムーズに進めるのを優先して、妊娠安定期に入る少し前に伝えることにしました。

職場からの反応はどうだったか

もともと周りの空気をあまり読まない性格(笑)なので、職場からよく思われなくてもとるつもりでした。

上司も同僚にもポジティブな反応が予想以上に多かったのはありがたかったし、運がよかったと思います。そのときの上司からは「自分が一番幸せになれると思う選択をしたらいいよ」という言葉が今でも印象に残っています。この言葉のおかげで後ろめたさを持たずに育休とれたと思います。

育休の期間はどうやって決めたか

一番迷ったのはこの期間でした。

家族のことを考えると長いほうがよいですし、仕事で職場の同僚のことを考えたり、仕事のブランクを考えると短い方がよいですから。結論を先に言っちゃうと、私は、育休期間は約3ヶ月にしました

妻の産後の体を休める上では、最低3週間、できれば、6週間と言われていますね(参考文献1)。

医療用語では、産後という言葉ではなく「産褥」という言葉を使いますが、この産褥とは基本的に出産後の6週間を指します。ですから、先ほど3週間と言ったのは最低限寝ていてほしい期間であって、本来であれば6週間はゆっくりしていてほしいのです。体が元に戻るまでにかかる時間と考えて、無理をしないで過ごしたいですね。

https://dual.nikkei.com/atcl/column/17/061800099/101500003/

なので、6週間は絶対確保しようと思っていました。

また、乳児は生後4ヶ月以降に昼夜の区別が出てくるようです(参考文献2)。

生後3ヶ月~6ヶ月頃の赤ちゃんの睡眠時間は、13時間~14時間くらい。昼寝を朝・昼・夕と3回して夜にまとまって眠るようになります。夜に6時間近く寝ることができる赤ちゃんも出てきます。

生後4ヶ月以降には、体内時計が少しずつ発達し、昼夜の区別がつきはじめます。この時期から、起きる時間と寝る時間を意識し始めたいところです。

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1204#outline13

もちろん個人差があると思います。乳児がまとまって寝てくれないと、ママやパパも睡眠不足になりがちで、その状態で仕事に復帰するのは厳しいだろうと思い、3ヶ月以上は必要かなと考えていました。

一方、仕事の観点、職場での同僚の負担を考えて、どこまで伸ばせるかも考えました。仕事でのプロジェクトの区切りを考えると、2021年1月初め(育休3ヶ月間)には職場復帰するのがよさそうでした。

以上を考えて、2021年9月終わり頃(出産予定日)〜2021年1月初めの約3ヶ月にしました。

3ヶ月とってみた感想ですが、もっと長くとってもよかったかなと思っています。育休終わりに近づくと、もっと子どもの成長をそばで見たい気持ちがあったんで。

どのくらいとるかに正解はないと思います。最終的には、自分、そして、家族の気持ちに向き合い、一番納得できる落とし所にするのがよいと思っています。

仕事の引き継ぎはどのくらい大変だったか

上司に報告したあとは、育休に関する制度を確認し、年間の仕事の計画と仕事の引き継ぎの計画の立案をしました。

おそらく育休を経験した人の大半は同意すると思いますが、引き継ぎが相当大変でした。引き継ぎの大変さは業務がマニュアル化されてるか、普段から業務が共有されてるか等によって大きく変わると思いますが。正直なところ、もうこの引き継ぎはできればしたくないです(笑)。

本当は、いつでも引き継ぎがすぐできるように職場の仕事を複数人でシェアできているのが理想なんですけど、私がやってる仕事は研究で、サービス業などと違いすぐ代わりの人を用意するのが難しかったです。

引き継ぎでどういう点が大変だったか

通常の業務と引き継ぎ業務の同時遂行が必要だった点

1点目はみな共通だと思いますが、自分の業務をこなしながら、引き継ぎ業務をやる必要あったからです。普段の業務がいっぱいいっぱいだときついです。なので、引き継ぎ業務も計画に入れてやらないといけません。

引き継ぐ仕事は非定型業務かつ属人的だった点

2点目は私の業務内容特有の難しさで、引き継ぎが面倒な業務だったということです。

私がやってる仕事は研究開発の研究者としての仕事です。なので、非定型業務に相当しますから、マニュアル化が難しい部分が多いです。なので、マニュアル書いて説明してはい終わりというわけにはいきませんでした。

また、近年は複数名で同じテーマをやるというより、同僚でも個々人が知識、スキルを活かして違う研究の仕事をやり、属人的な部分が多かったです。なので、普段からよほど情報共有しないと引き継ぎがかなりしづらいものでした。同じ同僚でも、各仕事で求められる知識、スキルが異なる点も多かったので、私が担当する仕事で必要な知識を引き継ぎ者に共有していく必要もありました。

引き継ぎをうまく進めるのに意識したこと

以下は私が引き継ぎをやる際に意識してたことです。

  • 引き継ぎ者に自分の検討内容を定期的に共有、説明し、引き継ぎ者に知識を得るのを支援
  • 引き継ぎ者が担う部分が少なくなるように、自分が仕事の前倒し
  • 自分の仕事に加えて、引き継ぎの仕事を計画を立て、進捗管理を徹底
  • 定期的に引き継ぎ状況を上司に共有(引き継ぎがずるずる先延ばしにならないように)

引き継ぎはうまく進んだか

引き継ぎは6ヶ月かけて計画的に進める予定だったのですが、実は想定外のことが色々起きて、初めの数ヶ月は思ったほど進みませんでした。

想定外1 新型コロナの影響で長男の通う保育園で約2週間登園自粛に

2020年4月頃(育休まであと6ヶ月)、自分の仕事を前倒ししてスタートダッシュするぞと思った矢先、新型コロナの感染者が増え始めて、長男の通う保育園で登園自粛要請。2週間ほど保育園を休むことに。在宅勤務でしたが、長男が家にいる状況では通常通り仕事ができず。2週間は、早朝の長男が起きる前の1、2時間と、昼寝している1,2時間だけ仕事をするのをやってました。在宅勤務かつ裁量勤務だったもので。なので、仕事を前倒しするどころか、いきなり仕事の進捗が遅れてしまいました。

想定外2 妻が妊娠糖尿病で1週間入院し、1週間ワンオペに

これも想定外だったのですが、2020年7月頃(育休まであと3ヶ月)に妻が妊娠糖尿病の食事指導や検査で1週間入院することになってしまいました。その間は、私一人で長男のお世話をすることになり、仕事も時短でやることになり、この1週間はかなりきつかったです。在宅勤務ということもあり、多少は仕事はできましたが、前倒しには程遠かったです。

振り返ると、妻が出産で入院する予行練習になったので結果的にはよかったかなと思ってますけど。

最終的には何とかなった

ここまで読むと、引き継ぎや仕事はできたのかと思うかもですが、はい、何とかなりました。後半3ヶ月で自分の仕事の遅れを取り戻しつつ、引き継ぎを進めていきました。

引き継ぎ者の方が、思った以上に吸収が早かったのと、自分が思っていたより引き継ぎでの情報がかけていても何とかやってくれる柔軟な対応ができる人だったという運もありまして。

育休前の引き継ぎの教訓

引き継ぎでは思うようにいかなかった反省を踏まえて、今後育休を取る人がスムーズに引き継ぎできるよう、個人ができることを教訓としてまとめました。

  • 妊娠中は何が起こるか分からないので、育休までの自分の業務も引き継ぎも計画は余裕を持たせる。私は6ヶ月前からやったこともあり、想定外のこと起きても何とかなりました。
  • 同僚が困ったときには支援するなどして普段から同僚と良好な関係を築いておく。良好な関係だと引き継ぎやりやすいため。
  • 普段から同僚と業務内容を整理したり、資料化して情報共有しておく

育休の会社手続きはどうだったか

手続きには、育休前に申請するものと、出産後に出すものがありました。育休前の時期の申請は、出産予定日とかいつからいつまで育休取るかを出すもので、それ自体はそれほど大変でなかったです。

1点モヤモヤしたのは、手続きの説明書が主に女性向けに書かれていて、産休と育休を取るのが前提っぽく書いてあって、男性が育休取る場合は何やるべきか分かりづらかった点です。担当部署の方に色々問い合わせして解決しましたので、さほど苦労はなかったですけどね。

そして育休へ

無事、引き継ぎもギリギリ何とか終わり、会社での手続きも終わり、出産予定日から育休に入りました。

めでたし、めでたし!

育休に入ってからはまた別の記事にしますね。

まとめ

民間企業の研究者である私が、育休を取るまでにやったことを綴りました。最後に時間軸でやったことをまとめます。記憶を頼りに書いていて多少時期が前後するかもですが、そこはご了承ください。

時期育休までの残り期間パパがやったこと
妊娠8週頃(病院受診し心拍確認)
出産予定日を知る
妊娠9週〜10週育休について家族と相談。 育休をとることを決める。
妊娠11週〜13週育休を希望する期間を決める。
妊娠14週
(妊娠安定期より少し前)
あと6ヶ月妻の妊娠と育休について上司に連絡。
妊娠15週あと6ヶ月弱育休取るまでの仕事と引き継ぎの計画を立てる。
引き継ぎ者に育休を連絡。
妊娠24週あと3ヶ月同僚、仕事関係者に連絡。
社内の育休申請手続き。
妊娠39週あと1週間仕事の引き継ぎ完了
妊娠40週
出産予定日
あと0日育休開始
私が育休までにやったことリスト

最後まで読んでいただきありがとうございます。育休を取ろうと考えている方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

ではでは。

参考文献

  1. 日経xwoman, “宋美玄 「産後」はいつまで体を休めるべきなの?”
  2. マイナビ子育て、”【医師監修】月齢別赤ちゃんの睡眠の特徴 まとまって寝るようになるのはいつ?”

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