結婚して夫婦になると、夫と妻の収入があり、家計管理どうしたらよいか悩む方が多いと思います。例えば、こんな風な悩みや疑問はありませんか?
- 「子育て費用・教育費がこれから増えるのに、貯蓄が全然たまっていない。貯蓄を増やしやすい家計管理方法はないか?」
- 「家計管理で自由に使えるお金が少なくて、不満が多い。ストレスを減らしたい」
- 「夫婦で生活費を分担している金額の差があり不公平な感じがする」
- 「項目ごとに分担しているが、新しい項目が出るたびにどちらが負担するかで揉める。揉めずにすむ方法はないか」
本記事では、夫婦共働きでの家計管理を7年以上試行錯誤してきて、FP資格もある私が、夫婦の家計管理方法について徹底解説します。
この記事の対象読者
- これから結婚して、家計管理方法を検討している方
- 現状の家計管理方法で、ストレスが溜まっている方
- 現状の家計管理方法で、お金があまり貯められていない方
この記事でわかること
- 夫婦の家計管理方法の選び方のポイント
- 家計管理方法5パターンの図解とそのメリット、デメリット
- ストレスなく、お金をためやすい家計管理の方法
ぜひ、最後までお読みください。
【結論】ストレスなくお金を貯められる家計管理方法は?
夫婦間でストレスを溜めることなく、お金を溜められる家計管理方法は、
「夫婦の収入を共同口座にまとめ、そこから生活費と貯蓄を出し、夫婦共に小遣い制とする方法」です。
我が家では、結婚して、いくつかの家計管理方法を試しましたが、この方法に落ち着きました。そして、約40歳にはサイドFIREできるほど資産を増やせました。
以降では、なぜこの方法がよいのか、他にどのような家計管理方法があるのか、家計管理方法を比較するとどうなのか、について解説します。
夫婦での家計管理方法の選び方、ポイントは4つ
家計管理方法を選ぶポイントを整理します。
ポイントは以下の4つです。
- お金を貯めやすいか
- ストレスを溜めにくいか
- 収入・支出の変化に対応できるか
- 導入しやすいか
それぞれ説明していきますね。
ポイント1: お金を貯めやすいか
家計管理で一番気になり、最も重要なポイントのが、お金を貯めやすいかです。
では、お金の貯めやすくするには、どうしたらよいでしょうか?
以下の2点を実現できる仕組みが望ましいです。
- 世帯全体の収支を把握しやすい
- 個人の浪費を防ぎやすい
まず、世帯全体の収入、支出、貯蓄を、夫婦共に把握しやすいことが重要です。
把握して見える化できると家計の課題を見つけやすく、夫婦で改善策を立てやすく、結果として収支改善や互いの満足度の向上につながるからです。夫だけや妻だけより、夫婦で把握することで、課題の発見や改善策を立てることができ、より収支の改善につながります。
次に、個人の浪費を防ぎやすいことが重要です。
趣味の費用など個人の支出を、ある程度自由に使えるようにするのは、ストレスフリーにする上で必要です。しかしながら、自由に使えるお金が多すぎたり、目安となる上限がなかったりすると、人によっては浪費しがちとなり、貯蓄ができなくなります。
ポイント2: ストレスをためにくいか
お金の管理は、一緒に生活している以上、常に生じるので、夫婦共にストレスを溜めにくいことが重要です。お金には価値観の違いがでやすいので、夫婦喧嘩になりがちです。お金のことで、しょっちゅう夫婦喧嘩するのは避けたいですよね。
ストレスフリーにするには、主に以下の3点に注意すべきです。
- 生活費の負担が、夫婦間で公平であること
- 個人の自由に使えるお金が、夫婦間で公平であること
- 貯蓄の負担で、公平であること
夫婦で生活費をどっちがどれくらい負担するかは、夫婦間で揉めやすいポイントの一つです。また、個人の支出の裁量に夫婦で差があると裁量が少ない方が不満を持ちやすいです。また、貯蓄についても、一方が頑張っているのに、パートナーが浪費してあまりしてないと、不満が生じやすいです。
そのため、夫婦間で公平感があり、不満や不公平感が出にくいのが望ましいです。
ポイント3: 収入・支出の変化に対応できるか
夫婦として生活していると、収入でも、支出でも大きく変化することがあります。
例えば、以下のライフイベントの際に起きます。
- 子どもが生まれて、子育て費用が多くかかるようになった
- 子どもが進学して、教育費が多くなった
- 出産に伴い、妻が産休・育休に入り、収入が減った
- 妻が、正社員からパートに変わり、収入が減った
- 夫が転職して、収入が増えた
収入、支出の大きな変化はどこの世帯でも起きうること。収入や支出が変化するたびに家計管理のやり方を変えるのは手間がかかるので、柔軟に対応できるのが望ましいですね。
ポイント4:導入しやすいか
家計管理方法では、導入しやすさも重要です。よい家計管理方法でも導入するのが面倒だと、使ってくれませんよね。以下の点が、導入しやすさにつながります。
- 口座やクレジットカードの作成・変更の作業が少ない
- ルール作りが簡単
なお、近年では、銀行口座開設やクレジットカードの申し込みはスマホがあればできますので、さほど手間はかからなくなっています。
また、家計管理方法によっては、ルール作りに手間がかかる場合もあります。例えば、食費や日用品、家賃などそれぞれ誰が負担するかのルール作りは、夫婦の合意を得るのに手間がかかる場合があります。
夫婦の家計管理方法の5パターン。特徴とメリット・デメリットは?
家計管理方法のポイントについて把握できたと思うので、家計管理方法のパターンについて見ていきましょう。家計管理方法は、以下の5パターンがあります。
- 夫婦の収入を共同口座にまとめ、夫婦共に小遣い制
- 夫婦共に生活費を按分して共同口座に入れる
- 夫の収入でやりくり、妻の収入で貯蓄
- 生活費を費目ごとに夫婦で分担し、夫婦別々に管理
- 妻が家計をすべて管理、夫は小遣い制
家計管理パターン1: 夫婦の収入を共同口座にまとめ、夫婦共に小遣い制(共同経営型)

夫婦共同の口座を作り、2人の収入をすべて入れ、そこから生活費や貯蓄を出す方法です。
夫婦共に、小遣い制になります。
生活費も貯蓄も共同口座から出すので、夫と妻の負担を決める必要がなく、不満が生じにくいです。また、夫婦共に共同口座の生活費・貯蓄を見るので、生活費での無駄遣いにも気づきやすいです。
なお、共同口座は単一の口座である必要はなく、夫名義と妻名義の口座の2つを使うとよいです。日本では、共同名義の口座を作ることができないためです。
家計管理方法パターン1のメリット
この家計管理方法のメリット・デメリットは以下の通りです。
- 収支を把握しやすく、個人の浪費も抑えられて、お金をためやすい
- 生活費の負担も、自由に使えるお金も、夫婦間で公平感がある
- 収入、支出に変化あっても対応できる
1番目のメリットは、「収支を把握しやすく、個人の浪費も抑えられて、お金をためやすい」点です。共同口座の出入りだけで、収支、貯蓄を把握できるため、夫婦共に把握しやすいです。また、共同で管理することになるため、無駄な支出に目が届きやすく、貯蓄額もチェックできます。
さらに、夫婦共に小遣い制になっており、夫婦共に個人の浪費が生じにくいです。
2番目のメリットは、「生活費の負担も、自由に使えるお金も、夫婦間で公平感がある」点です。家族の支出が夫婦のどちらかに紐付いていないため、負担割合など特に決める必要がなく、自然と公平に負担することになります。また、夫婦共に小遣い制になっているため、夫婦間で自由に使えるお金の金額に公平感があります。
3番目のメリットは、「収入、支出に変化あっても対応できる」点です。収入も支出も共同口座に集約しているので、夫や妻のどちらかの収入が下がったり、支出が増えたりしても、カバーしやすいです。
家計管理方法パターン1のデメリット
家計管理方法パターン1は、メリットが多いのですが、デメリットもあります。
- 夫婦共同の口座を開設する必要があり、手間がかかる
デメリットは、「導入にやや手間がかかる」点です。この方法では、夫婦共同の口座を用意する必要があり、そのために新たに開設する必要が生じる場合もあります。
なお、導入に手間がかかるといっても、さほど大きくはないです。最近では、スマホと本人確認書類があれば、ネットで簡単に口座の開設申し込みができるからです。
家計管理パターン2 夫婦共に生活費を按分して共同口座に入れる(生活費拠出型)

パターン1と同様に夫婦共同の口座を作り、そこに収入の一部(生活費相当)を分担して入れ、そこから生活費を支払う管理の仕方です。貯蓄は、夫と妻がそれぞれすることが多いです。
家計管理パターン2のメリット
この家計管理方法のメリットは以下の通りです。
- 生活費の支出を把握しやすい
- 生活費の負担での公平感がある
- 収入、支出に変化あっても対応できる
1番目のメリットは、「生活費の支出を把握しやすい」点です。
共同口座から生活費を出すため、夫婦共に、生活費を把握するのが容易です。なお、デメリットで後述するように、互いの貯蓄を把握しづらいので、お金の貯めやすさにはいまいちです。
2番目のメリットは、「生活費の負担での公平感がある」点です。共同口座に入れる額(収入比率で按分等)すれば、公平になるからです。
3番目のメリットは、「収入、支出に変化あっても対応できる」点です。収入や支出に変化があると、共同口座に入れる金額見直しをすることで対応できます。
4番目のメリットは、「夫婦ともに自由に使えるお金が大きい」点です。収入と拠出額の差から貯蓄と個人の支出を出すことになり、裁量が大きいです。毎月の貯蓄額を決めて先取りしないと、貯蓄が貯まらなくなる点に注意が必要です。
家計管理パターン2のデメリット
次に、デメリットについて見ていきます。
- 互いの貯蓄を把握しにくい
- 個人の支出で浪費しやすく、お金が貯まりにくい
- 導入に手間がかかる
1番目のデメリットは、「互いの貯蓄を把握しにくい」点です。夫婦間で開示しあったり、チェックしあったりしないと、お互いの貯蓄を把握しにくいです。そのため、相手が貯蓄しているだろうと期待していたが、全然貯蓄しなかったということになりがちです。
2番目のデメリットは、「個人の支出で浪費しやすい」点です。お小遣い制ではないため、貯蓄が個人の支出により侵食されやすいです。夫や妻が浪費するタイプだと問題が生じやすいです。
3番目のデメリットは、「導入に手間がかかる」点です。共同口座の開設が必要になるため、口座開設の手続きの手間が生じます。また、拠出額をどの程度にするか、各自の貯蓄額をどの程度にするかを決めるルール作りの手間も生じます。
家計管理パターン3 夫の収入でやりくり、妻の収入で貯蓄(生活費・貯蓄分担型)

片方の収入の口座で生活費を出し、もう一方の収入はすべて貯蓄する方法です。ここでは、夫個人の口座で生活費を出し、妻の口座で貯蓄するとして説明しますが、妻と夫の役割を逆にしても構いません。収入が大きい方が生活費を出すことが多いです。
家計管理パターン3のメリット
この家計管理方法のメリットは以下の通りです。
- 生活費が夫の収入の範囲内に収まるため、貯蓄はしやすい
1番目のメリットは、「生活費が夫の収入の範囲内に収まるため、貯蓄はしやすい」点です。
妻の口座で確実に貯蓄することができるため、全く貯蓄ができないということにはならないです。ただし、妻の収入が少ない場合は、十分な貯蓄ができない点には注意が必要です。
家計管理パターン3のデメリット
この家計管理方法でのデメリットは以下の通りです。
- 互いに収入、支出、貯蓄を把握しづらい
- 収入によっては、個人の支出で浪費が起きやすく、お金が貯まりにくい場合もある
- 夫の収入によっては、導入できない
1番目のデメリットは、「互いに収入、支出、貯蓄を把握しづらい」点です。
夫は貯蓄や妻の収入を把握しづらく、妻は生活費や夫の収入を把握しづらいです。夫婦間のコミュニケーションでオープンにできないと問題になります。
2番目のデメリットは、「収入によっては、個人の支出で浪費が起きやすく、十分な貯蓄できない場合がある」点です。
夫の収入が生活費に比べて十分大きいと、夫が収入-生活費の分だけ浪費してしまう可能性があります。また、妻が浪費しやすいタイプだと、貯蓄が個人の支出に侵食されやすいです。また、妻の収入が少ないと、将来に備えて十分な貯蓄ができない場合もあります。
3番目のデメリットは、「夫の収入によっては、導入できない」点です。
この方法では、夫の収入が生活費より大きいことが前提です。収入が少ないと、この方法をそもそも導入できないです。
4番目のデメリットは、「収入や支出に変化があると対応できない」点です。夫の収入が下がり生活費を下回ると、この方法を維持できません。
家計管理パターン4:生活費を費目ごとに夫婦で分担し、夫婦別々に管理(個別管理型)

このパターンは、個人の口座に収入を入れ、生活費の費目ごとに夫婦どっちが支払うか決めていくやり方です。共働き夫婦では、この方法を採用していることが多いです。
家計管理パターン4のメリット
- 変化に対応しやすい
- 導入しやすい
1番目のメリットは、「収入や支出の変化に対応しやすい 」点です。収入や支出が変化したら、それに合わせて、支出の負担を見直すことで対応できます。
2番目のメリットは、導入しやすい点です。新たに口座を開設する必要はないので、スムーズに導入できます。なお、導入時には、誰がどの費目を負担するのかのルール決めが必要になり、その手間が発生します。
家計管理パターン4のデメリット
この家計管理方法でのデメリットは以下の通りです。
- 夫婦の収入、支出、貯蓄が把握しにくい
- 生活費の費目の分担で、不公平感がでやすい
- 個人の支出が膨らみやすく、お金が貯まりにくい
1番目のデメリットは、「夫婦の収入、支出、貯蓄が把握しにくい」点です。
夫と妻でそれぞれ個別に家計管理しているので、互いの収入、支出、貯蓄を把握しづらいです。夫婦間のコミュニケーションでオープンにできないと問題になります。
2番目のデメリットは、「生活費の費目の分担で、不公平感がでやすい」点です。
生活費の費目ごとに分担するので、負担割合の調整がしづらく、どっちが多い少ないかで揉めやすいです。また、新たな費目(例、旅行の費用)でどっちが払うとかで揉めやすいです。夫婦間で納得できるルール作りが必要になります。
3番目のデメリットは、「個人の支出が膨らみやすい」点です。
貯蓄が個人任せになり、貯蓄が個人の支出に侵食されやすいです。お互いに、貯蓄額を決めて、それを先取り貯蓄する形をとらないと、お金を貯めにくいです。また、相手が貯蓄をしているだろうと期待していたが、いざ蓋を開けてみると全然貯蓄してなかったという困った事態も起きやすいです。
家計管理パターン5:妻が家計をすべて管理、夫は小遣い制(専業主婦型)
夫の収入をすべて妻管理の口座に集め、そこから生活費などを出すパターンです。専業主婦の世帯に多いパターンです。夫には定額のお小遣いを渡します。

家計管理パターン5のメリット
この家計管理方法でのメリットは以下の通りです。
- 夫婦の収入、支出が把握しやすい
- 収入、支出に変化あっても対応できる
- 導入しやすい
1番目のメリットは、「夫婦の収入、支出が把握しやすい」点です。
妻がすべての収入と支出を管理しているので、当然把握が容易です。なお、夫は、収入を渡してやりくりしてもらう感じなので、家計管理に無関心になりがちです。
2番目のメリットは、「収入、支出に変化あっても対応できる」点です。妻がすべて把握しているので、容易に対応できます。例えば、収入が減った場合には、生活費を切り詰めたり、夫のお小遣いを減らしたりすることで対応できます。
3番目のメリットは、「導入しやすい」点です。夫の口座を妻が実質的に管理するようにすればよく、新たに口座を開設する必要もありません。
家計管理パターン5のデメリット
この家計管理方法でのデメリットは以下の通りです。
- 夫婦共に不公平感が生じやすい
- お金を貯められるかは、妻次第
1番目のデメリットは、「夫婦共に不公平感が生じやすい」点です。
夫は、自分だけ小遣い制となり、自由に使えるお金が少なく、不公平感じやすいです。妻が倹約家だと、夫の小遣いを少なく制限し、より不公平を感じやすいです。また、妻は、家計管理のすべてをやることになり、作業負担が重く、それが不満になりやすいです。
2番目のデメリットは、「お金を貯められるかは妻次第」な点です。すべての収入を妻が管理できるため。一方で、妻が浪費しやすいタイプだと、貯蓄をせずに、個人の自由な支出に使ってしまい、お金を貯められません。この方法でお金を貯めるには、夫が家計管理に関心をもち、妻任せにしないことが求められます。
夫婦の家計管理方法5パターンのメリット・デメリットのまとめ
これまで述べた、家計管理方法5パターンのメリット・デメリットを以下の表にまとめます。
# | 家計管理 パターン | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
1 | 収入を共同口座にまとめ、 夫婦共に小遣い制 | ・収入・支出・貯蓄を把握しやすい ・個人の浪費を抑えやすい ・生活費負担も自由に使えるお金も公平 ・収入・支出の変化に対応できる | ・夫婦共同の口座開設する手間がかかる |
2 | 夫婦共に生活費を按分して 共同口座に入れる | ・生活費の支出を把握しやすい ・生活費の負担が公平 ・収入・支出の変化に対応できる | ・貯蓄を把握しにくい ・個人が浪費しやすい ・夫婦共同の口座開設する手間がかかる |
3 | 夫の収入でやりくり、 妻の収入で貯蓄 | ・生活費が夫の収入内に収まり、 貯蓄しやすい | ・収入・支出・貯蓄を把握しづらい ・妻の収入によっては、貯蓄が不足する ・夫の収入によっては、導入できない |
4 | 生活費を費目ごとに分担、 夫婦別々に管理 | ・収入・支出の変化に対応できる ・導入しやすい | ・収入・支出・貯蓄が把握しにくい ・生活費の分担で、不公平感がでやすい ・個人が浪費しやすい |
5 | 妻が家計をすべて管理、 夫は小遣い制 | ・収入・支出・貯蓄が把握しやすい ・収入・支出の変化に対応できる ・導入しやすい | ・夫婦共に不公平感が生じやすい ・お金を貯められるかは、妻次第 |
夫婦の家計管理方法5パターンを徹底比較。どんな人に、どのパターンが向いている?
では、これまで見てきた5パターンを表にして比較してみましょう。
前述したメリット・デメリットを踏まえて、お金の貯めやすさ、ストレスフリー度、変化への対応しやすさ、導入しやすさを、星1つから星5つで評価しました。
評価でつける星の数は以下のようにしました。
ベースは星3つにして、貯めやすさの向上に寄与するメリットがある場合は、星を増やし、貯めやすさを低下させるデメリットがある場合は、星を減らしました。他の評価軸についても同様です。
# | 家計管理 パターン | 貯めやすさ | ストレス フリー度 | 変化への 対応しやすさ | 導入 しやすさ |
---|---|---|---|---|---|
1 | 収入を共同口座にまとめ、 夫婦共に小遣い制 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★ |
2 | 夫婦共に生活費を按分して 共同口座に入れる | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
3 | 夫の収入でやりくり、 妻の収入で貯蓄 | ★★★ | ★★★ | ★ | ★ |
4 | 生活費を費目ごとに分担、 夫婦別々に管理 | ★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
5 | 妻が家計をすべて管理、 夫は小遣い制 | ★★★★ | ★ | ★★★★ | ★★★★ |
なお、ここでの、お金の貯めやすさはあくまで一般的な傾向です。例えば、パターン4はお金の貯めやすさは星2つと評価低いですが、この方法でお金を貯めている家庭も、もちろんあります。
お金の貯めやすさ、ストレスフリー度を重視する方なら、パターン1がおすすめです。
仕組み的に、収支を把握しやすく、個人の浪費も抑制できるため、お金を貯めやすいです。また、夫婦共にお小遣い制で公平感があるため、ストレスを溜めにくいです。個人の裁量が少なくて不満なら、夫婦で話し合って小遣い額を調整することで解決できます。
お金の貯めやすさより、個人で自由に使えるお金を十分に確保するのを優先したい方は、パターン2やパターン4がよいでしょう。
お金の管理は妻の方が得意で、夫は小遣い制でも不満があまりない方は、パターン5でもよいでしょう。
ストレスなく、お金を貯めたい夫婦には、「収入を共同口座に入れ、生活費・小遣い・貯蓄を出す」方法がおすすめ

前述しましたが、夫婦共にストレスをためずに、お金を貯めたいなら、「収入を共同口座に入れ、生活費・小遣い・貯蓄を出す」パターン1の家計管理方法がおすすめです。
なぜなら、前の章での比較したように、もっともお金を貯めやすく、夫婦共にストレスを溜めない仕組みになっているからです。
家計管理方法でよくある疑問にQ&A形式で回答
「収入を共同口座に入れ、生活費・小遣い・貯蓄を出す」パターン1の家計管理方法をおすすめしました。この家計管理方法に関連して、よくある疑問にお答えします。
パターン1とパターン2はどちらも共同口座を使うのに、お金の貯めやすさが違うのはなぜ?
共同口座を作ることで、世帯全体の生活費を把握しやすくなり、お金のたまりやすさに寄与します。しかしながら、お金の貯まりやすさに影響を及ぼすのは、それだけではなく、貯蓄の把握しやすさ、個人の浪費を抑えられるかという点も影響するからです。
個人の自由に使えるお金という点で、パターン1(共同経営型)とパターン2(生活費拠出型)は大きく異なります。パターン1では、夫婦共に小遣い制になっているので、小遣い額を超えた個人の浪費を抑制しやすいです。一方、パターン2では、貯蓄と個人の自由に使うお金が競合し、個人の浪費を抑制するインセンティブがあまり働かないです。
なお、パターン2において、各自の貯蓄額をルール化して、それを共同の貯蓄用の口座に振り込むようにすれば、個人の浪費を防ぐことができます。こうすると、実質的に、パターン1と同じになります。
共同口座ってどうやって作るの?普通の銀行口座と違うの?
共同口座も普通の銀行口座です。
共同口座といっても、夫婦共同(夫婦共有)で使う目的というだけで、普通の銀行口座です。
なので、今、持っている銀行口座を共同口座にすることもできます。
共同口座の名義は夫と妻のどっちにすればよい?
どちらでもよいです。夫名義と妻名義の2つあってもよいです。
私のおすすめは夫名義と妻名義の2つです。
夫名義と妻名義の共同口座を給料の振込先に指定すると、個人の口座から共同口座に振り込む手間を減らせるからです。
共同口座を作らないと、お金は貯まらない?
いいえ。
あくまで仕組みとして、お金を貯めやすいかどうかを記載しています。なので、共同口座を作らないパターン4でも、夫婦が個人の支出を抑えて貯蓄する行動をとれば、お金は貯まります。
夫と妻で収入差があるけど、共同口座で小遣い制のパターン1を使える?
収入差に関係なく、使えます。
お小遣い額はどうやって決める?夫婦で同じ?
現状の収入と生活費、貯蓄の目標額を踏まえて、決めましょう。
夫婦間で合意できれば、夫婦で金額が違ってもかまわないです。ちなみに、我が家では、妻の方が金額が多いです。
世帯の収入、支出、貯蓄を把握するには、どうしたらいい?
家計管理アプリを使うと簡単に把握できます。
共同口座と、共同口座が引き落とし先になっているクレジットカードを登録すると、収入、支出を簡単に把握できます。
共同口座におすすめの銀行口座は?
振込手数料が一定回数無料のネット銀行がおすすめです。生活費で口座振替などの支払い(例:家賃)があるなら、ゆうちょ銀行や大手の都市銀行の口座もあると無難です。
まとめ
以下に、本記事のまとめを記します。
家計管理方法の選定ポイントは、以下の4点です。
- お金をためやすいか
- ストレスが溜まりにくいか
- 変化に対応しやすいか
- 導入しやすいか
家計管理の方法には、主に5つの方法があります
- 夫婦の収入を共同口座にまとめ、夫婦共に小遣い制
- 夫婦共に生活費を按分して共同口座に入れる
- 夫の収入でやりくり、妻の収入で貯蓄
- 生活費を費目ごとに夫婦で分担、夫婦別々に管理
- 妻が家計をすべて管理、夫は小遣い制
夫婦でストレスなく、お金を貯めやすくするなら、「2人の収入を共同口座に入れ、そこから生活費や小遣い、貯蓄分を出す」家計管理方法がおすすめです。
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