投資信託の引越し方法(個別インデックスファンドから全世界株式一本へ)3つを徹底解説

投資

昔からインデックス投資やってた人は、日本株式、先進国株式、新興国株式という風にエリア毎のインデックスファンドを持ってるでしょう。今は、信託報酬の安い全世界株式インデックスファンドがあるので、保有資産を移行(スイッチング、引っ越し)したい人もいると思います。移行に関して、こんな不安はありませんか?

  • 「移行したいが、前のファンドを安値で売ってしまったり、新しいファンドを高値で買ってしまったりで、損してしまうのが怖い」
  • 「多額の資産を移行するのは、すごく手間がかかりそう」

私は、FP2級の資格を持つ、インデックス投資歴15年以上の個人投資家です。2020年頃に、持っていた資産(総額1000万円以上)を個別のインデックスファンドから全世界株式ファンド1本に移行した経験があります。この実体験を踏まえて、投資家の皆様が気になる移行方法について解説します。

対象読者

  • 複数のインデックスファンドをまとめて、全世界株式インデックスファンドやバランスファンドに1本化したい人
  • 塩漬けのファンドから本命のファンドに引越ししたい人

この記事を読んでわかること

  • ファンドの移行方法3つ
  • 移行方法のメリット・デメリットの比較
  • 全世界株式インデックスファンド一本に移行して感じたメリット・デメリット

ぜひ最後までお読みください。

なぜ保有資産を全世界株式インデックスファンド1本に切り替えようとしたのか

理由は2つ。

1つ目はリバランスといった管理が面倒に感じたからです。リスク資産で持つ商品数が多いと、リバランスの作業が面倒です。私は子どもが生まれてからは、年に1回だとしてもその手間が煩わしいと感じるようになりました。移行の手間をかけてでも、毎年の手間が減るなら長期的には良いだろうと考えました。

2つ目は全世界株式インデックスファンドの信託報酬が他と比べても安かったので、乗り換えてもコスト面で遜色ないかむしろよいと感じたからです。

個別インデックスファンドから全世界株式インデックスファンドへの移行でやりたいこと

移行でやりたいことは、保有資産の構成を下記のBeforeの状態からAfterの状態に変えることです。数字は説明しやすく実際のとは変えています。

Before・日本株式インデックスファンド
・先進国株式インデックスファンド
・新興国株式インデックスファンド
100万円
800万円
100万円
After・全世界株式インデックスファンド1,000万円
ファンドの移行前後での商品構成

ファンドの移行方法3つを紹介

確定拠出年金だとスイッチングで、元の商品を全額売却して、移行先商品を選べばよいですが、証券会社にある普通の投資信託ではこれができないです。

ファンドの移行方法は以下の3つあります。

  1. 一括売却して、一括購入する
  2. バッファ用現金で購入・売却を繰り返す
  3. 定期売却サービスと定期積立サービスを組み合わせる

以下では、移行方法の前にやっておくべきことと、各移行方法について、詳しく説明します。

ファンドの移行前の準備

どの移行方法をやる場合でも、ファンドの移行の前にやっておくべきことが1つあります。
旧ファンドの積み立てをしている方は、停止しておいてください。停止しておかないと、移行で旧ファンドを売却するのに、また買ってしまうことになるためです。

ファンドの移行方法1: 一括売却・一括購入

シンプルなやり方として思いつくのは、旧ファンドを一気に売却して、それらが現金化されたらすぐに新ファンドを一気に購入する方法です。

さきほど挙げた具体例にて移行する場合の手順は、以下のとおりです。

移行方法1(一括売却・一括購入)での手順
  • ステップ1
    旧ファンドをすべて売却する
    • 日本株式インデックスファンドを全額売却する
    • 先進国株式インデックスファンドを全額売却する
    • 新興国株式インデックスファンドを全額売却する
  • ステップ2
    現金化を確認する

    3つのファンドの売却が完了し、買い付けできる現金(約1000万円)を確認します。商品により売却完了時期は前後しますが、おおむね1週間で完了します。

  • ステップ3
    新ファンドを一括で購入する

    新しいファンドを約1000万円分を一括で購入します。

この方法だと、移行のために追加で現金を用意する必要がないです。また、移行期間も投資信託の売却にかかる数日から1週間程度で済み、手間もかからないです。

ですが、問題があって売却と購入に少しタイムラグが生じ、また購入、売却時期が集中してしまうことです。一括で売却する直前に大きく値下がりしてしまうとか、購入直前に大きく値上がりしてしまうとかの可能性があります。もちろん、その逆の可能性もありますが。

長期投資を考えているのであれば、タイミングはそこまで気にしなくてよいかもですが、金額は1000万円オーダで大きいので、私も慎重になりました。そこで別の方法を考えました。

ファンドの移行方法2: バッファ用現金で購入・売却を繰り返す

私が考えたのは、まとまった現金(例100万円)を用意して、売却と購入を同じタイミングにする方法です。現金で新ファンドを購入注文を出し、同時に旧ファンドをほぼ同額売却します。これを繰り返せばよいです。

具体例で説明します。
ここでは、バッファ用現金を100万円用意し、10回に分けて、売却と購入をするとします。

ファンド移行方法2(バッファ用現金で購入・売却を繰り返す)での手順
  • ステップ1
    バッファ用現金(例:100万円)を用意する

    バッファ用現金を証券口座に用意しておきます。
    すでに、証券口座内に現金がある場合は、この手順はスキップしてよいです。

  • ステップ2
    新ファンドを約100万円分購入する

    バッファ用現金を使い、全世界株式インデックスファンドを約100万円分購入する

  • ステップ3
    旧ファンドを約100万円分売却する(ステップ2-1と同じ日に実施)
    • 日本株式インデックスファンド約10万円分を売却する
    • 先進国株式インデックスファンドを約80万円分売却する
    • 新興国株式インデックスファンドを約10万円分売却する

    ここでの注意点は、購入と売却のタイミングを近づけるために、旧ファンドの売却は、新ファンドを購入したのと同じ日にするのが望ましいです。証券口座にログインした際に、購入と売却の両方をやるのが楽です。

  • ステップ4
    現金化を確認する

    3つの旧ファンドが売却され、現金化されることを確認します。
    現金化されたら、ステップ2とステップ3を実行します。
    以降は、ステップ2からステップ4を繰り返します。

私が実行したのはこのやり方でした。

これなら購入と売却のタイムラグがほぼ発生しないので値動きを気にしなくて済みます。また、売却タイミングと購入タイミングを分散できるので、心理的に安心感がありました。(これが本当に合理的かは分からないですけど)

このやり方のデメリットは、移行のために何度も売却と購入の注文を繰り返し手間がかかる点です。

ファンドの移行方法3: 定期売却と定期積立サービスを組み合わせる

実は、第3のやり方があります。このやり方は、カン・チュンドさんの投資信託クリニック ブログに記載されてました。余談ですが、このブログは私もときどき見ていて参考になること多いです。

定期売却しながら、定期積立しても良いのです、投資信託のお引っ越しなら! | 投資信託クリニック
こんにちは。 投資信託クリニックの カン・チュンド です。 すでに投資信託で運用を行っている人へ。 ・もっとコストが低いファンドに乗り換えたい ・もっと純資産額が大きいファンドに乗り換えたい という希望をお持ちではないで

前に述べたのとやり方は同じなのですが、旧ファンドの売却に定期売却サービスを使い、新ファンドの購入に定期積立サービスを使い、毎月同じ日(以下の例では15日)におこなえばよいのです。

移行方法3(定期売却と定期積立)での手順
  • ステップ1
    バッファ用現金(例:100万円)を用意する

    バッファ用現金を証券口座に用意しておきます。
    すでに、証券口座内に現金がある場合は、この手順はスキップしてよいです。

  • ステップ2
    新ファンドを毎月積立を申し込む
    • 全世界株式インデックスファンドの毎月積み立ての申し込み
      • 毎月の購入金額:100万円
      • 購入申込月/日:毎月15日
  • ステップ3
    旧ファンドの定期売却を申し込む
    • 日本株式インデックスファンドの定期売却の申し込み
      • 毎月の売却金額:10万円
      • 解約申込月/日:毎月15日
    • 先進国株式インデックスファンドの定期売却の申し込み
      • 毎月の売却金額:80万円
      • 解約申込月/日:毎月15日
    • 新興国株式インデックスファンドの定期売却の申し込み
      • 毎月の売却金額:10万円
      • 解約申込月/日:毎月15日
  • ステップ4
    旧ファンドの定期売却が終わるまで待つ

    旧ファンドの売却が終わるまで待ちます。
    なお、ファンドの保有残高が、売却金額を下回った場合には、エラーとなります。その場合は、手動で売却するとよいでしょう。

  • ステップ5
    定期積み立て、定期売却を停止する

    移行がおわったら、積み立てや定期売却を停止します。

移行期間は、10回に分けて売却、購入するとなると10ヶ月と長くなりますが、注文の手間ははるかに少なくて済みます。なお、このやり方でやるなら、終わったら定期売却、定期積立を停止するのを忘れぬようにしてください。

当時は、恥ずかしながら定期売却サービスを知らなかったのですが、今移行するならこのやり方を私は選ぶと思います。

なお、他にも移行のやり方にバリエーションはあるでしょうが、パターンを増やすと複雑になりそうなので、よいと思う3つを紹介しました。

ファンド移行方法のメリット・デメリット比較

今まで述べた移行方法とメリット、デメリットを整理しますね。
ここでは、投資信託を売却注文して現金化に1週間かかるとしています(実際は商品によります)。
また、1000万円分を10回に分けてやると想定しています。

移行方法バッファ用
現金
移行期間売買
タイムラグ
時間分散手間
1旧ファンドを一括で売り、
新ファンドを一括で買う
不要1週間あり不可
2新ファンドの一部を買い、
同時に同額の旧ファンドを売る
を繰り返す
必要10週間なし
3新ファンドを定期積立し、
同時に旧ファンドを定額売却
必要10ヶ月なし
ファンドの移行方法比較

とにかく早く移行したい人、売却と購入のタイミングを気にしない人、移行のために現金を用意できない人は、1番目のやり方が良いでしょう。

売却と購入のタイムラグが気になり、ある程度短い期間で移行してしまいたい人は2番目のやり方がよいでしょう。バッファ用の現金を多く確保できれば、その分早く移行できます。

売却と購入のタイムラグが気になり、移行期間長くても手間を減らしたい人は、3番目のやり方が良いでしょう。今なら、私はこれを選ぶと思います。

全世界株式インデックスファンド1本に移行して分かったメリット・デメリット

移行してみた感想は、手間はかかりましたが、本当にやってよかったと思います。ここでは、実際にやってみて感じたメリットとデメリットを述べます。

移行して実感するメリットは、毎年の資産運用でのモニタリング、リバランスの手間が格段に減ったことです。今は、無リスク資産とリスク資産の比率を調整するだけでかなり楽です。

一方で、移行して気づいたデメリットは、移行の際に譲渡益がでると、確定申告が必要になる点です。

私は投資、資産運用は好きですが、今は家族との時間や自分のやりたいことをやる時間とかを大事にしたいと考えてます。そのため、毎年の投資の手間を極力削減できて大成功だったと思います。

まとめ

本記事では、日本株式インデックス、先進国株式インデックス、新興国インデックスを全世界株式インデックスに移行(スイッチング)するときの移行方法について述べました。もし移行するときの参考になればと思います。

ではでは。

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